何が何だか

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台風が心配

昨日は連れ合い関係の法事があって、気の進まぬまま法要には出たのだが、その後のお斎は1時間も移動時間のかかる親戚筋の料理店だというので、私だけ先に失礼して帰ってきた。
一応義理は果たして、たぶん法事も当分はないだろうから、肩がぐっと軽くなった。
それにしても、電車に乗って出かけて帰ってくるとがっくり疲れる。体力がないということなのか、人混みに神経を使うのか。

楽しみにしているいくつかのブログが、最近あまり更新されない。少しつまらなかったのだが、数日前よりその一つ「お気楽亭のブログ」が再開された。こんなにめでたいことはない。
この人のブログは、文章を書く上でのわたしのお手本である。

直近の記事で、太宰に触れていたせいで、ふと「きりぎりす」を読みたくなって青空文庫でダウンロードする。

***引用開始***

私は、或る日こっそり父の会社に、あなたの画を見に行きました。その時のことを、あなたにお話し申したかしら。私は父に用事のある振りをして応接室にはいり、ひとりで、つくづくあなたの画を見ました。あの日は、とても寒かった。火の気の無い、広い応接室の隅に、ぶるぶる震えながら立って、あなたの画を見ていました。あれは、小さい庭と、日当りのいい縁側の画でした。縁側には、誰も坐っていないで、白い座蒲団だけが一つ、置かれていました。青と黄色と、白だけの画でした。見ているうちに、私は、もっとひどく、立って居られないくらいに震えて来ました。この画は、私でなければ、わからないのだと思いました。真面目に申し上げているのですから、お笑いになっては、いけません。私は、あの画を見てから、二、三日、夜も昼も、からだが震えてなりませんでした。どうしても、あなたのとこへ、お嫁に行かなければ、と思いました。蓮葉な事で、からだが燃えるように恥ずかしく思いましたが、私は母にお願いしました。母は、とても、いやな顔をしました。私はけれども、それは覚悟していた事でしたので、あきらめずに、こんどは直接、但馬さんに御返事いたしました。但馬さんは大声で、えらい! とおっしゃって立ち上り、椅子に躓いて転びましたが、あの時は、私も但馬さんも、ちっとも笑いませんでした。

***引用終了***

太宰は落語好きだったそうだが、引用中の最後の一文、読むたびに画を思い描いて笑ってしまう。

私は、太宰の中ではこの小説が一番好きだったので、昔、憎からず思っていた女の子何人かに紹介したのだが、それ以後より親しい関係になったという相手は一人もいない。
わかる気もする。

買った本
鈴木紀之「すごい進化 『一見すると不合理』の謎を解く」
ドナルド・キーン訳 「英文収録『おくのほそ道』」

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